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水鏡

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雨の日もあれば晴れる日もあります。
2日間ずっと雨に降られてひでえ目にあいましたが、3日目にしてようやく晴れた撮影日和に。
備中神代の田んぼにも水が満たされ、定期サンライズがその姿を水面に映して走りすぎて行きます。
これが5月、田植えシーズンならではのお楽しみです。

ときに。
列車の側板が足元まで回っている車両と、足回りがむき出しになっている車両をご覧いただけると思います。
足回りが露出しているのが、モーター搭載車。
側板が下まで回っているのが二階建の個室寝台車という違いによるものです。
このサンライズ号は7両編成ですが、モーターがあるのは2両だけ。
それで動力を賄うんですから、いかに強力か分かろうというものです。

で、このモーターつき車両は床下に機器を満載している都合上、ほかの車両とは違った室内設計となります。
そこで生まれたのが少し小さいサイズの部屋を互い違いに配置した1人用個室「ソロ」と、逆に大部屋雑魚寝方式を採用した「ノビノビ座席」なわけです。
また、この2両の車端部には2部屋ほど、天井が広々した「シングル」があります。
これもスペースを埋める都合から生み出された妙案のひとつです。

鉄分豊富な方には楽しい一夜を、そうでない方にはそれなりに賑やかな一夜を過ごせること請け合いです。

# by yonige | 2021-05-19 21:46 | 伯備・山陽・山陰・四国各線

朝のおつとめ

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サンライズ出雲91号で出雲市まで行った夕方。
あたくしは岡山方へ140キロ戻って新見の本陣入り。
翌朝は新見発6時過ぎの電車で2駅隣の備中神代(びっちゅうこうじろ)へ。

本来ですと向こうの田んぼで撮影するんですが、まだ水が入っておりませんのでこちら側へ。
定期サンライズ通過の2時間以上前に来ておりますから、先着特権で場所は選び放題です。
でまあ、こちら側の水神様のところにしました。

雨がポツポツ降っております。
仕方ないので高速道路の下で雨宿りし、列車の来る5分前になると撮影位置にスタンバイ。
貨物列車は運休。
その5分後にサンライズ通過。

これが、伯備線内にいるときの「朝の勤行」です。

# by yonige | 2021-05-17 20:29 | 伯備・山陽・山陰・四国各線

サンライズ出雲91号 最終行程

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新見を過ぎますと、伯備線は岡山・鳥取県境の矢田峠へ向かい標高を高めてまいります。
で、備中高梁~江尾ぐらいが撮影フィールドのあたくしにとっては、単に車窓を眺めるというよりは各ポイントの実況を把握して歩く感となってまいります。

こちらが伯備線屈指のポイント、足立~新郷。
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ここは、足立駅から歩いて30分くらいの山攻めポイントです。
で、ここが冒頭の画の撮影地になります。

岡山県最後の駅・新郷(にいざと)を通過しますと、倉敷から並走を続けてきた高梁川水系ともお別れ。
まもなく通過する矢田峠が分水嶺となっているため、瀬戸内側から共に旅をしてきた高梁川の支流・西川の源流に到達いたします。
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倉敷のあたりではどうやっても渡れない広さの高梁川も、ここでは跨いで越せる幅に。
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でまあ、その矢田峠を越えますと鳥取県。
ここは上石見。
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おもしろいもんで、伯備線が鳥取県側に入った途端、この上石見や生山、江尾駅のように町の観光協会や商工会などが同居する駅が増えます。
鳥取県は駅を街の観光や経済の拠点に活用する方針のようです。
ただし、どの駅もおそらく観光客が訪ねてくるであろう休日に職員の方が誰もいません。

やがて列車は駅近撮影地のある黒坂へ。
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手前の田んぼに水は入りましたが、奥側がまだということを確認して通過いたします。

そして江尾駅では普通列車と交換。
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江尾駅を出て車窓を見ますと鯉のぼり多数を発見。
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3日後にここを再訪することになり、あたくしは青空を泳いだり、干物状態になったりする鯉のぼりの向こうに大山を拝むことになります。

伯備線を抜ける直前、伯耆大山でのハイライトはその大山の山容を望むこと。
列車内に大山と米子の観光案内が肉声放送され、東京から14時間が経過してサンライズ出雲91号は米子へ到着しました。
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いろいろ制限の多い伯備線を抜け、山陰線に入りますとサンライズ出雲91号は快調に飛ばしてまいります。
車窓に黒いウシを発見し
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「あっ!7切れ4800円だっ!」
1切れ700円としたら末端価格2000万ぐらいが草を食っているわけです。

列車は、最後の列車交換をいたします。
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時刻は既に昼をまわり、列車内での3食目も完食。
歯磨きも終え、さっぱりした気分で15時間の旅が終わり、出雲市へ到着したのでありました。

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# by yonige | 2021-05-16 21:59 | 伯備・山陽・山陰・四国各線

サンライズ出雲91号 奥備中の朝

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サンライズ出雲91号で目覚め、明石海峡大橋を眺め、朝から満悦のあたくし。
岡山は3分停車ですから弁当なんぞは買えませんが、朝食についてはこの後に供給される手筈が整っておりますから心配はありません。

岡山を出て山陽線を倉敷まで下り、いよいよ伯備線へ。
清音駅の手前数キロのところから線路は高梁川沿いに進路をとりはじめ、やがて伯備線は高梁川の支流・西川の源流まで遡ることになります。
そして山陽線より内陸を走る山陽新幹線が見えてくると、そこに何と「ひかりレールスター」が登場。
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思わず個室内で拍手してましたわな。

さて。
サンライズ出雲91号は、寝台特急です。
種別上は、特急列車です。
が。
美袋(みなぎ)駅で特急「やくも」号の通過待ちをいたします。
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サンライズ出雲91号は、特に急がないから特急列車なんです。

そんな不条理はあっても、数駅先の備中高梁で10分超の停車。
これがサンライズ出雲91号、朝のイベントです。
みなさんホームで撮影されたり、飲物を買ったり、あたくしはバスセンターへ吸殻を捨てに行ったりと自由な休憩時間。
伯備線の複線化区間もここ備中高梁までで、これから伯耆大山まで100キロ近い単線区間へと列車は足を踏み入れてまいります。

が。
伯備線が面白くなるのも、このあたりから。
沿線の山には今が盛りと藤の花が咲き。
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高梁川第一橋梁の脇の道路は、連休中とあって静か。
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ちなみに。
この橋のたもとで撮影すると、こんな景色になります。
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続いて超有名撮影地、第二橋梁。
今度は逆パターンで、外からは、こう。
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中からだと、こう。
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その第二橋梁の先におわす、いつもの神様がこちら。
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こうしてサンライズ出雲91号は、本格的な奥備中へと進んでまいります。

<次回へ続く>


# by yonige | 2021-05-13 18:00 | 伯備・山陽・山陰・四国各線

サンライズ出雲91号 酔いどれの旅路

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現存する国内唯一の寝台列車、サンライズ出雲・瀬戸。
定期列車でも充分に魅力的な旅を楽しむことができますが、最長でもサンライズ出雲の12時間が限度です。
が。
年に数日、片道15時間かかるサンライズ出雲が現れます。
それがサンライズ出雲91号・92号であります。

2021年4月30日。
21時半すぎに東京駅へ現れたあたくし。
酒・つまみの類は既に携行しておりますが、東京駅で氷を買って定期サンライズを見送ってから10分後。
8番線に高松行がついていない出雲市行だけのサンライズ出雲、つまり半ライズ出雲がやってきました。
今回とりましたのがシングルツイン。
基本1人利用ですが、2段ベッドなので2人でも使えるという部屋です。
ただし、車端に近いので中央部よりは揺れる可能性が否定できません。
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ですが、そんな事はどうでもよろしく、東京駅停車中に下段のベッドをソファに仕様変更。
サンライズ出雲91号 酔いどれの旅路_b0209918_21441280.jpg
下でひとり宴会やって上のベッドで寝ようという意図がありありと。

でまあ、列車は定刻に東京駅を発車。
自動放送がながれ
「この列車は、サンライズ出雲、およびサンライズ瀬戸」
という大嘘がながれて
「をい、あと半分どした!」

一応東京都は緊急事態宣言下ですから多摩川を渡るまでは景色を眺めておったのですが、多摩川橋梁にさしかかった途端にウイスキーの瓶を握り
「3!」
「2!」
「1!」
さよなら東京!開栓!

サントリーのポケット瓶なので、基本そんなに旨い酒ではないはずなんですが。
氷を入れた備前焼のタンブラーに酒をながしてレモン風味のついた強炭酸で割ると、スイスイいけます。
横浜ではそこに立っていた人に
「うぇーい」
とやったら冷たい視線がきたのではなく、エア乾杯してくれました。

かくして動く景色を肴に至福の晩酌。
大船で一本目のウイスキーが空きます。
そこで藤沢からは、徳島のすだち焼酎。
こちらは通常の炭酸で割って呑んでおりましたが、軽やかでさわやかな味わい。
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小田原を過ぎますと沿線の家並も遠のき、代わりに相模湾が現れます。
ほぼ満月が照らす、23時台後半の相模湾。
酔ってますから、暗闇という条件下で景色を撮影という無謀なことも平気でできてしまいます。
夜の海を照らす様子は撮影できたと思うとります。
ウイスキー480mlと焼酎720mlの計1.2リッター入った状態でやったにしては、まともな画になりました。

が。
あたくしは熱海に到着した覚えも、発車した覚えもありません。
気が付いたときには上段のベッドで朝を迎えており、列車は大阪の高槻あたりを走っておりました。
華麗なる寝落ちでありました。
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朝の大阪、そして神戸と抜けて山陽線最大のお楽しみは、やはり明石海峡大橋。
適度によっぱらって深く眠っておりますから目覚めもスッキリ。
実に爽やかな朝であります。

[次回へ続く]

# by yonige | 2021-05-12 18:00 | 伯備・山陽・山陰・四国各線